Chapter 1 チャート読解の基礎知識
下図は日足のローソク足チャートです。その日、売ろうか買おうかを判断する時には、一般的に日足を使うとわかりやすいといわれています。
ローソク足の形は、一定期間の「始値(はじめね)」、「高値(たかね)」、「安値(やすね)」、「終値(おわりね)」の4つの値段をもとにつくられます。
始値より終値が高く終わった時は「白抜き」で描き、始値より終値が安く終わった時は「黒塗り」で描きます。そこに「ヒゲ」と呼ばれる、その期間(日、週、月など)の高値と安値の線を引いて、ローソク足の完成です。
移動平均線
株価の 上昇基調、下落基調 を読み取る
ゴールデンクロス・デッドクロス
株価の基調を読み取るために、多くの投資家が参考にするのが、ゴールデンクロスとデッドクロスです。
ゴールデンクロスとは、13週移動平均線が26週移動平均線を下から上に突き抜けた時の交差を表し、一般的に株価が上昇基調に入ったシグナルといわれています。
反対に、デッドクロスとは、13週移動平均線が26週移動平均線を上から下に突き抜けた時の交差を表し、一般的に株価が下落基調に入ったシグナルといわれています。
例えば 下図 右図 では、赤と青の移動平均線をそれぞれ、13週移動平均線と26週移動平均線と見立てて見てみましょう。すると、Aのポイントで、一般的に株価は上昇基調に入ったと考えることができます。逆に、Bのポイントでは、一般的に株価は下落基調に入ったと考えることができます。
なお、13週や26週移動平均線よりも短い期間の移動平均線で起こるゴールデンクロスとデッドクロスをそれぞれミニゴールデンクロス、ミニデッドクロスといいます。
上記の例の2つのポイントをよく見てください。実はゴールデンクロスは、最も安くなっている時ではなく、その後、少し上がってから現れています。同じようにデッドクロスも、少し下がってから現れています。
これは、移動平均線は過去のデータの平均であるため、実際の株価の動きよりも遅れて動きが現れるからです。
また、移動平均線は1日の終値で計算しますので、クロスした翌営業日以降でないと売買の注文を出すことができません。ここでも、投資家は少し出遅れてしまうことになります。
Point 安い時に買いたい、高い時に売りたいというのが投資家の心理。
そんな時に役立てたいチャートが、次でご紹介するMACDです。
より新しい トレンドを読み取る
MACDとは移動平均・収束・拡散手法(Moving Average Convergence Divergence)の略称で、マックディーと読みます。
売られすぎ・買われすぎのタイミングを判断するための指標で、一般的に、相場の転換点を知るのに有用な手法とされます。株価の動きが横ばいや、短期間に乱高下する場合、MACDではトレンドを把握できない弱点があります。
【株式投資】チャートの見方についてやさしく解説!株価チャートから株の買い時を探る方法とは?
株価チャートは主に以下の3つで構成されています。これから株式投資を始める人は押さえておきましょう。
①値動きを表すローソク足
ローソク足とは、1日、1週間、1か月といった期間ごとの値動きを表しています。ローソク足は2種類(陽線・陰線)あり、1本のローソク足から4種類(始値・終値・安値・高値)の株価を読み取ることが可能です。
始値:最初に取引された際の価格
終値:最後に取引された際の価格
高値:期間中に取引された最高値の価格
安値:期間中に取引された最安値の価格
株式投資は買い手と売り手が見つかって初めて取引が成立します。なお、最初に成立した取引を寄付(よりつけ)とも呼びます。寄付は始値と同じ意味を表すこともあります。
陽線と陰線
ローソク足の見た目は、白い四角と黒い四角の上下に線が伸びている図形です。こちらの白いローソク足が陽線、黒いローソク足が陰線と呼ばれています。
陽線は、始値が終値よりも高い時を表します。ローソク足の四角は実体または本体と呼ばれており、実体の端はそれぞれ始値と終値を表しています。陽線の上が終値、下が始値です。つまり、陽線は取引開始時よりも取引終了時の方が高い株価を表しています。陰線は陽線と逆であり、上が始値、下が終値を表します。つまり、陽線は取引開始時よりも取引終了時の方が低い株価を表しています。
なお、陽線と陰線は似ているため、始めのうちは混合してしまいがちです。勘違いによって投資が失敗しないように気を付けましょう。
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