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信用リスクの把握

信用リスクの把握

リスク管理

「信用リスク」とは、お取引先の信用状況が悪化し、貸出金の債務の支払いが不能となった場合、それに伴って貸倒等の損失を被るリスクをいいます。
信用リスク量の増大は銀行経営に直接重大な影響を及ぼすことから、信用リスク管理の巧拙が適正な収益性と貸出資産の健全性の確保にとって重要なポイントとなります。
当行では、信用リスク管理体制の充実を図るため、本部における貸出金の審査・管理部門は営業推進部門と分離することで、相互に牽制機能が働いており、厳格な審査・管理を行っています。さらに貸出金等が特定の地域、業種、企業、グループ等に偏らないよう残高の管理を行い、取締役会等でチェックする体制をとっています。 信用リスクの把握
また、融資業務の効率化・高度化を目的として、審査能力、管理能力、営業活動支援などをサポートする融資トータルシステムを構築しています。本システムは、融資禀議システム・信用格付・自己査定システム、財務分析システム、担保管理システム、個社情報管理システムなどの融資業務システムを統合一元化し、取引先の情報をトータル管理するもので、企業審査面についてはより精度の高い分析、業態把握が可能となっています。
個別の審査では、取引先の財務内容の検証及び業種、業界動向を踏まえた業態把握を行うほか、案件毎に企業特性、資金使途、事業計画の妥当性、返済能力、保全の状況などの観点から審査を行います。さらに融資実行後の管理ではその後の業態把握や担保評価の洗い替えなどのフォロー管理のほか、経営面の問題解決のサポートや企業の再生支援などを行い、企業の不良債権の発生防止に努めています。
また、当行では、お取引先の信用度合いの正確な把握と信用リスク管理の精緻化を目的に、「信用格付制度」を導入しています。信用格付は自己査定作業のベースとなり、信用リスク管理の基本概念と位置づけています。
自己査定については監査する独立の部署を設け、営業店・審査部門への相互牽制機能をもたせることにより、内容の充実を図っています。
さらに自己査定基準が適切に制定され、自己査定が基準に則り厳正に実施されているかについて、外部の監査法人の監査を受けています。

市場リスク、流動性リスク

「市場リスク」とは、金利、為替、株式等の様々な市場のリスク・ファクターの変動により、保有する資産等の価値が変動し損失を被るリスクをいいます。
近年、金融技術の高度化に伴い、市場リスクは複雑化、かつ増大しており、適切なリスク管理体制が求められています。当行では、独立した市場リスク管理担当部署及び市場取引のミドルオフィス業務部署を設けております。また、毎月のALM委員会において、ギャップ分析、現在価値分析、VaR(バリュー・アット・リスク)といったリスク管理手法を用いて銀行全体のリスク量を把握した上で、金利予測や収益計画に基づきリスクヘッジの方針を決定し、スワップなどのデリバティブ取引等を活用してリスクの的確なコントロールと収益の安定的な確保に努めています。
「流動性リスク」とは、当行の信用力が低下することなどにより必要な資金が確保できなくなる場合や、不利な条件での取引を余儀なくされることにより損失を被るリスクをいいます。当行では、流動性リスクに対応するため資金繰りに関する管理部署を定め、日次、週次、月次にて資金繰り状況を把握・分析するとともに調達予定額のシミュレーションを実施しています。また、不測の事態に備え資金繰り逼迫度に応じて3段階の区分管理を行い、各々の局面において対応策、報告連絡体制を定め、迅速な対応が行えるようにしています。

内部監査・自店検査体制

内部監査は、本部・営業店およびグループ会社等(以下「被監査部署」という。)の収益の確保と経営管理の改善に資するとともに、不正過誤の未然防止と経営基盤の確立を図るため、被監査部署から独立した監査部が、厳正に実施しています。特に、不祥事防止等、法令等遵守態勢および顧客保護等管理態勢の徹底した検証を行います。
内部監査は、内部事務処理等の問題点の発見・指摘にとどまらず、被監査部署における内部管理態勢(リスク管理を含む)の適切性、有効性を検証し、その評価や問題点の改善方法についての提言等を行います。
自店検査は、本部・営業店において毎月独自に検査を実施し、事故の未然防止を図るとともに、内部管理態勢の強化に努めています。

オペレーショナル・リスク

信用リスクの把握 信用リスクの把握
リスクカテゴリー リスクの定義
1. 事務
リスク
当行が業務を遂行する上で発生するすべての事務および受渡しに係るミス、事故等により、当行の資産および信用が損害を被るリスクをいいます。
2. システム
リスク
コンピュータシステムのダウン又は誤作動等、システムの不備等に伴い当行が損失を被るリスクをいいます。
3. 法務
リスク
業務の決定、執行、契約の締結等における法律上の問題、顧客に対する過失による義務違反、不適切なビジネス・マーケット慣行により当行が損失等の不利益を被るリスクをいいます。
4. 人的
リスク
予想外の人材の流出や喪失・顕著な士気の低下、役職員による法令等の遵守に関して問題となる行為などの事象等により、当行が損失を被るリスクもしくは業務継続のための適切な態勢・陣容が毀損されるリスクをいいます。
5. 災害
リスク
自然災害(地震、風水害等)、火災ならびに犯罪(銀行強盗、店舗破壊等)などにより、顧客および当行関係者の身体・財産ならびに当行資産のいずれかが被害を受け、または受けるおそれのある事態や、当行の業務に支障が生じ、または生じるおそれがある事態など有形無形の損失を被るリスクをいいます。
6. 風評
リスク
当行に関する報道、記事、噂などにより、当行の評判が低下し、信用が毀損されることによって有形・無形の損失を被るリスクをいいます。
7. 情報資産
リスク
「情報資産リスク」とは、情報資産の漏えい、紛失、改ざん、不適切な取得や取扱及び不適正な第三者への提供等により当行が損失を被るリスクをいいます。

オペレーショナル・リスク管理体制

当行では、オペレーショナル・リスク管理規定を制定し、オペレーショナル・リスク管理の統括部署としてCR統括部を定めるとともに、リスク毎のリスク管理担当部署を定めています。
各リスク担当部署は、リスクの特定・評価、モニタリング、報告、コントロール及び削減、並びに検証・見直しといったリスク情報の把握と管理を適切に行うとともに、リスク管理体制の実効性を高めるためにリスク管理統括部署と十分な連携を図って対応しております。
これらリスク管理体制については、被監査部門から独立した監査部が立入検査などを通じて有効性を検証しています。

1. 事務リスク

銀行では、預金・為替・融資・証券等の業務を行っています。「事務リスク」には、このような業務を遂行する上で発生するすべての事務および受渡しに係るミス、事故等により、当行の資産および信用が損害を被るリスクがあります。
当行では、こうした事務リスクを回避するため、厳格な事務取扱を定め、集合研修・勉強会・OJT等の行員教育に取り組み、事務マネジメントの強化を図ることにより、事務品質・水準の向上に努めています。
また、システム面については事務機器の拡充や効率化のためのシステム投資、コンピュータによるチェック機能の強化に注力し、お客様に信頼される正確・迅速な事務体制を目指しています。

2. システムリスク

「システムリスク」には、コンピュータシステムのダウン又は誤作動等、システムの不備等に伴い当行が損失を被るリスクがあります。
銀行におけるコンピユーターシステムは、銀行業務の多様化・高度化や取引量の増加等に伴い、停止した場合の社会的影響は大きく、コンピュータシステムを安全に運営する事は極めて重要であるといえます。
当行では、オンラインシステム障害を回避するため、コンピュータシステムを二重化し、万一、地震等の大規模障害が発生した場合も予備のコンピュータに即時に切り替える事ができる体制をとるとともに、通信回線、電源設備等あらゆる面で二重化しています。さらに、大規模災害でコンピュータセンターが使用不能となった場合でも、横浜市のバックアップセンターに切り替えてオンラインシステムを稼働させる措置を講じています。また、障害発生時の全店の体制を定め、お客様に安心していただけるサービスのご提供に努めています。

3. 法務リスク

「法務リスク」には、法令解釈の相違、法的手続の不備、法令等に違反する行為等により当行が不利益を被るリスク等があります。
当行では、「法務リスク管理規定」を制定し、管理担当部署を中心に法務リスクの特定・評価、モニタリング等に努め、法令等遵守の徹底や法的な確認を厳格に実施することにより、法務リスクのコントロールおよびその軽減を図っております。
また、管理部署担当部署は、業務環境の変化等に対応した調査・分析・検討を行うとともに、法務リスク管理の方法の妥当性およびリスク管理運営の適切性について、必要に応じ随時、検証・見直しを行っております。
さらに、法務リスクのコントロールに関しましては、顧問弁護士等の外部専門家との連携を十分に図っております。

4. 人的リスク

5. 災害リスク

「災害リスク」には、自然災害(地震、風水害等)、火災ならびに犯罪(銀行強盗、店舗破壊等)などにより、有形無形の損失を被るリスク等があります。
当行では、「災害リスク管理規定」を制定し、管理担当部署を中心に災害リスクの特定・評価、モニタリング等を実施しております。
特に水害や地震などの災害対策については、行政機関や研究機関などの専門家からの情報収集に努め、緊急事態対策に関する対応方針等に反映いたしております。
さらに、いざという時に備えた被災シミュレーションにもとづく各種防災訓練・業務継続に関する訓練なども着実に実施しており、災害リスクのコントロールおよびその軽減を図っております。
また、緊急事態への対応方針や業務継続計画の現状など災害リスク管理の状況については、適時・適切に経営への報告を実施いたしております。

6. 風評リスク

「風評リスク」には、当行に関する報道、記事、噂などにより、当行の評判が低下し、信用が毀損されることによって有形・無形の損失を被るリスクがあります。
当行では、「風評リスク管理規定」を制定し、管理担当部署を中心に風評情報の把握に努め、発生または予見される風評リスクについて存在を把握・評価するとともに、迅速かつ適切な情報開示、誤った報道・記事や誹謗中傷等に対する早期の訂正要求など、適切な対策を着実に実施することにより、風評リスクのコントロールおよびその軽減を図っております。
また、モニタリングの状況については、適時・適切に経営への報告を実施いたしております。

7. 情報資産リスク

「情報資産リスク」には、情報資産の漏えい、紛失、改ざん、不適切な取得や取扱及び不適正な第三者への提供等により当行が損失を被るリスク等があります。
当行では、「情報資産リスク管理規定」を制定し、情報管理に関する内部管理態勢の整備に努め、監査部監査や自店検査等による情報資産管理状況のモニタリング等により現状把握に努めております。
さらに、モニタリング結果等にもとづく管理手法の妥当性検証・改善強化など、適切な対策を厳格に実施することにより、情報資産リスクのコントロールおよびその軽減を行っております。
また、モニタリング結果や改善強化施策など情報資産リスク管理の状況については、適時・適切に経営への報告を実施いたしております。

RISK MANAGEMENT 統合信用リスクの高度化

金利低下。貸出先の減少。そして、新たな競争を生むAIの勃興。
今、金融業界における与信業務を取り巻く環境が激変しており、将来の銀行経営を見据えた際、
従来のやり方による与信業務を続けることは「リスク」として捉えられるようになっています。
弊社は創業以来、「データ」に基づく理論的、合理的な判断基準を生み出し、その仕組みを提供してきました。
これは、与信業務においても同様、金融機関における取引先のリスク評価、 信用リスクの把握
リスク管理に資する仕組みを金融機関と力を合わせて考え、提供し続けており、そこで培った知識を、
改めて今の激変している時代に通用する仕組みとして新たに提供していくことを、今後のミッションとして考えております。

金融業界で求められていること

貸出先の発掘、債務者審査(格付付与)、貸出案件稟議、融資実行後のフォローアップ、状況変化の把握と適切な起稟、、、。
一つの貸出案件に対する案件サイクルを考えた場合でも、多くの「やるべきこと」が与信業務には存在します。しかしながら、ゼロ金利や競争の激化などに起因する今の低い利鞘水準において収益が減ってきている現状においては、従来から実施してきたこの「やるべきこと」をそのまま続けていくことは当然ながら経費の削減にはならず、収益的なデメリットになってしまうことが懸念されます。
そのことを勘案すると、この「やるべきこと」を可能な限り軽減し、効率的な人員配置を組織として考え、事務コストの低減、並びに営業力の強化が喫緊の重要課題として挙げられ、多くの金融機関において求められているものと考えられます。
では、従来の「やるべきこと」の軽減、並びに営業力強化と銘打った現場人員の増強を、確かな戦略の無い中行うことでどのようなデメリットが考えられるか。今まで把握してきた顧客に対する理解度が低減し、必要資金の正確な把握がなされないまま渉外が行われることが可能性としては考えられ、資金の使途を正確に知り、顧客が本当に必要とすることの提案を行う【明識】と【雅量】、という、金融機関のレゾンデートルともいうべき非常に重要なスキルが欠落していってしまう、といったデメリットが考えられるのではないでしょうか。
このようなデメリットを顕在化させないためにも、顧客のことを正確に把握するポイントを抑えた「情報力」が非常に重要であり、その「情報力」を損なわないためにも、蓋然性を確保したデータの存在を把握し、そのデータを利用した分析・検証を常に行う仕組みを作り、そこから理解される情報を適切に参照できることが必要と考えます。

提供できるアプローチ

01 与信業務のBPR

  • 顧客毎の「取引方針」の整理
  • 「取引方針」に基づき、負荷をかけるべき先と負荷を軽減すべき先の整理
  • 今までの業務負荷との比較

が挙げられます。
単純な規模(与信規模、顧客の売上規模等)による整理ではなく、今までの総体的な取引状況や、稟議案件発生状況などを勘案し、取引規模が小さく、現時点での収益が少ない先であっても将来の取引を見越して負荷をかけるべき先や、規模が大きく収益も得られる先であっても、負荷の軽減によるコスト低減と収益の最大化を図るべき先、といった整理を行います。 信用リスクの把握
顧客の把握が行われた後、「債務者審査(格付付与)」、「案件審査(案件稟議)」といった、今の与信業務における重要な柱について、負荷をかけるべき先、負荷を軽減すべき先それぞれに対する運用方法を整理します

取引先リスクマネジメント ~取引・信用リスクの把握~

・販売先:売上不振、競争力低下、信用度低下、押し込み販売、乱売、販売先喪失、
債務不履行、手形不渡、物流リスク、在庫状況悪化、商品パクリ など
・販売代理店:独占禁止法違反、商品横流し、乱売、安値販売、商品・顧客情報の流出 など
・投資先:株価の下落、配当低下 など
・融資先、貸付先:返済の遅延、貸付・融資焦付 など
・預金先:金利の引き下げ、引き上げ難 など
・賃貸先:賃貸物件の転貸、賃貸物件の喪失、賃貸料焦付 など
・仕入先:商品供給遅延・停止、品質不良、原料価格高騰、欠陥商品、安全・衛生不良、
公害、物流リスク、経営不振、技術力低下、信用度低下 など 信用リスクの把握
・外注先、加工先:納期遅れ、納入停止、知的財産権侵害、欠陥商品、公害、
技術力低下、過大・過小設備、機械整備不良、情報流出、過剰生産 など
・借入先:金利引き上げ、返済期限の早期化、期限の利益喪失、債権譲渡 など
・リース、賃借先:保守・修理不良、保証金焦付、アフターサービス不良 など
・警備、清掃、修理業者:役提供停止、不良サービス、サービスの中断・停止 など
・フランチャイザー:信用度低下、経営支援なし、商品供給ストップ など
・フランチャイジー:経営放棄、違反経営、ロイヤルティー不払、看板換え など
・マスコミ:誤報による信用毀損・名誉毀損 など

元来経営のレベルが低かったり、経営姿勢が不真面目であったりするために、
満足できる商品やサービスの提供ができない場合があります。
また、経理面がルーズで、約定どおりの決済をしない場合や、資金的に余裕がありながらも、 信用リスクの把握 信用リスクの把握
利己的な金銭感覚から、わざと支払いを遅らせる場合なども該当します。

元々は健全な経営で、提供する商品やサービスに問題はなく、また支払い振りも良好で
あったのに、業績の不振から資金繰りが悪化し、商品やサービスの品質が低下したり、
支払遅延を起こしている場合です。

経営悪化や資金難がさらに進行し、倒産や破産に至った場合、通常の支払は行われず、
商品やサービスの提供もストップします。
取引関係が支払、回収のどちらであるかを問わず、その対応を迫られることになり、
予想外の損害を被ることとなります。

取引先が法令や契約・権利についての認識が乏しいほか、認識があってもその対応を
しないなどの場合は、大きな損害を受けることになります。
取引先もそれ相応のペナルティーを受けますが、その対応や手続きをとることも無駄な
出費であり、二次被害へと損害は拡大します。

法令違反や契約違反・権利侵害は、ある程度健全な企業がその対応の拙さによって
起こるものですが、詐欺や悪徳商法は初めからその犯罪性を認識し、意図的に行われるもの
もあります。その場合、相手が用意周到な準備をもって臨んでいるため、こちらも
備えがなければ、損害を受ける可能性が高いといえます。
本社からの予算指示や業務命令によって、業績の維持及び拡大に苦労している営業部や事業部、
それも信用管理に十分な手間をかけることができない地方支店などが狙われやすい傾向にあります。

反社会的勢力企業やそのつながりのある企業との取引は、絶対に避けるべきです。
取引上のトラブルや行き違いがあった場合には、交渉の精神的負担が大きく、
場合によっては強制的に経済的負担を強いられることもあります。さらに他の取引先に
その関係を知られることによる信用度の低下、取引先の喪失など、死活問題になることがあります。

上記の特徴を持った、いわゆる「危ない会社」を把握するために、取引先の情報を
幅広く・正確に入手することが必要です。
HPなどで公開されている情報が、経営状態を正確に開示している場合もありますが、
経営内容が悪い場合は開示しないのが一般的です。また、それはいわゆる「危ない会社」ほど
悪質となり、情報の入手も難しくなります。
このような会社との取引から被害を受けることがないように、幅広い内容の情報を入手することと、
複数の情報源を持つことが与信管理上は重要となってきます。

リスク管理態勢

銀行は、日常的に、信用リスクや市場リスクといった様々なリスクにさらされております。また、こうしたリスクは、規制緩和の進展や業務の高度化に伴い、さらに多様化、複雑化しております。このため、リスクをいかに適切に管理していくかが、銀行経営における重要な課題となっております。
一方、銀行にとって、リスクは収益の源泉にほかなりません。相応のリスクを取ってこそ、適切な収益を上げることが可能となります。リスクと収益の間には、そのような関係があります。
したがって、銀行は適切な収益目標を定め、そのために発生すると思われるリスクを想定し、適切な管理を行いながら、リスクを取っていくことが必要になります。
こうした中、当行では、リスク管理を経営の最重要課題として位置づけ、期毎に取締役会においてリスク管理計画を定め、より一層のリスク管理態勢の強化とリスク管理水準の向上に全力で取り組んでおります。

リスク管理態勢の整備の状況

当行のリスク管理態勢は、大きく次の4つに分けられます。①コンプライアンス会議のもとにおける法令等遵守管理、②ALM委員会における収益の源泉となるリスクの管理、③信用リスク管理委員会における信用リスクに重点を絞ったリスクの管理、④オペレーショナル・リスク管理委員会における事務リスク、システムリスク等の極小化すべきオペレーショナル・リスクの管理であります。
ALM委員会では、市場リスクや信用リスクの計量化により当行のリスク量を把握し、最適な運用・調達構造の実現と、中長期的な安定収益の確保を目指しております。
また、信用リスク管理委員会では、信用リスク管理、内部格付制度に係る制度設計および検証、バーゼル規制に係る課題対応に取り組んでおります。
一方、オペレーショナル・リスク管理委員会では、オペレーショナル・リスクの実態を特定、評価、モニタリングの上、重要課題について組織横断的に対応を策定する等、オペレーショナル・リスク管理の高度化に取り組んでおります。組織的対応では、オペレーショナル・リスクである事務リスク、システムリスク、法務リスク、人的リスク、有形資産リスクについて、各リスクの主管部署を定め、厳正なリスク管理を行うと同時に、統括部署としてリスク統括部を定め、管理態勢の整備を行っております。
また、リスク管理全般の統括部署である「リスク統括部」は、各リスク主管部署が担当しているリスク管理に関する検証の統括を行っております。
なお、当行のリスク管理体系図は、次のとおりであります。

信用リスク

融資を主たる業務とする銀行にとって、信用リスクの管理が健全性のみならず収益性に関する戦略目標の達成に重大な影響を与えると認識しております。
信用リスクにかかる管理態勢として、リスク統括部を営業関連部門から完全に独立した信用リスク管理部署として定め、「内部格付制度」を当行における信用リスク管理の根幹の制度と位置付け、個社別の与信管理、業務運営等に活用しております。
リスク統括部では、内部格付制度の設計・基準制定および変更、内部格付制度の検証および運用の監視等を所管しており、内部格付制度の適切な運営や格付の正確性・一貫性の確保に責任を負う態勢としております。
一方、審査関連部門は個別与信にかかる審査等を担当しており、営業推進部門から分離し審査の独立性を確保するとともに、融資に関する基本原則を遵守し、お取引先の財務状況や資金使途、返済能力等を勘案した厳正かつ総合的な審査を実施しております。
なお、審査関連部門は、審査関連業務の企画やお取引先の与信にかかる審査を担当する審査部、海運・造船等の審査に特化したシップファイナンス部、企業再生のための経営相談機能をもつ企業コンサルティング部、問題債権を担当する融資管理室の4部室体制としております。
資産の自己査定につきましては、査定基準の制定等をリスク統括部が所管した上で、営業店による1次査定、本部各部による2次査定ののち、リスク統括部による検証を実施する等、厳正な運用体制を確保しております。
また、信用リスク管理強化のためには人材育成が不可欠との観点から、階層別研修の実施等、行員の信用リスク管理能力の向上にも努めております。

市場リスク

市場リスク管理態勢

(注)VaR(バリュー・アット・リスク)
VaR(バリュー・アット・リスク)とは、金利や為替相場、株価等の将来の変動を、統計的手法を用いて推計することによって、一定の期間において一定の信頼性のもとで顕現化する可能性のある「時価ベースの最大損失額」を算出するリスク管理手法です。当行では、いわゆる「政策的に保有している株式」も含めた市場リスクについて、保有期間240日(※)、信頼水準99.9%を前提としてVaRを算出しております。ALM委員会等では、VaRによって把握した「潜在的なリスク」が、自己資本や収益力と比較して、過大になっていないかどうかを常にチェックしております。
(※)2018年度より保有期間を120日としております。

流動性リスク

流動性リスクとは、市場環境の悪化等により必要な資金が確保できなくなったり、または、著しく高い金利での資金調達を余儀なくされるといった、いわゆる「資金繰りリスク」、および市場の混乱等により市場において取引ができなくなる場合や、通常よりも著しく不利な価格での取引を余儀なくされるといった、いわゆる「市場流動性リスク」の2つを意味しております。
当行では、地域における信頼性を背景にした安定的な資金調達力が、流動性確保のための基盤となっております。流動性リスク管理につきましては、半期毎に運用・調達のバランスに配慮した資金計画を策定するとともに、月次ベースで予想・実績を作成し、計画との差異を検証しております。また、市場における取引状況に異変が発生していないかチェックを行い、毎月ALM委員会に報告することにより、市場流動性リスクの顕現化による多額の損失発生を未然に防止する体制としております。
さらに、運用・調達ギャップや資金化可能な有価証券残高等を、ALM委員会および取締役会等へ報告する体制としております。外貨資金につきましては、通貨スワップ等を利用した長期資金調達等によって流動性を確保し、お客さまの外貨資金調達ニーズにお応えしております。

オペレーショナル・リスク

事務リスク

事務リスクとは、役職員が正確な事務を怠ること、事故や不正等を起こすこと、あるいは事務に関連する外部不正が発生することにより損失を被るリスクのことをいいます。取扱商品の多様化やお客さまとの取引量の増加等により、事務リスクも増大する傾向にありますが、当行では、お客さまの信頼にお応えする第一歩は正確な事務処理にあるとの基本的な考え方に立って、堅確な事務処理体制確立のため全力で取り組んでおります。
具体的には、営業店事務のレベルアップを図るため、各種事務規程、マニュアル類を整備し、正確な事務の取扱いに努めるとともに、事務統括部を中心とした本部各部による臨店事務指導を行っております。さらに、営業店自身による自店検査を各店に義務づける一方で、各種研修会を通じて行員の事務管理能力の向上を図る等、事務管理態勢の強化に取り組んでおります。
また、お客さまに関する情報を安全に管理するため、「情報セキュリティ管理規程」をはじめ、より具体的な取扱方法を定めた「情報セキュリティ基準(共通編)」を制定する等、セキュリティ管理態勢の強化に取り組んでおります。

システムリスク

システムリスクとは、コンピュータシステムのダウン・誤作動といったシステムの不備、コンピュータの不正使用、あるいは情報の漏洩・改ざん等に伴い損失を被るリスクのことをいいます。銀行業務の多様化やネットワーク化の進展に伴い、システムリスクはますます増大しております。当行では、システム障害の発生を未然に防止するとともに、万一発生した場合の影響を極小化し、早期の回復を図るため様々な対策を講じております。
具体的には、当行グループの重要システムにつきましては、定期的な点検を実施し、システム障害発生の未然防止に取り組んでおります。また、万が一の障害発生に備え、ホストコンピュータ等の重要機器の代替機設置、営業店とコンピュータセンターを結ぶ通信回線の二重化により、バックアップ態勢を確保しております。さらに、コンピュータセンター自体が災害等により使用できなくなる場合に備えた災害対策システム(バックアップセンターの設置)については、2001年11月より本格運用を開始しております。
また、データの厳正管理、不正使用の防止等、情報システムを安全に管理するため、「情報セキュリティ管理規程」、「情報セキュリティ基準(共通編)・(システム部編)」を制定しております。

信用リスク管理

信用リスク管理

当社では、与信ポートフォリオの信用リスク計測を行うパッケージソフトウェア「CreditGauge ® 」を提供しています。
CreditGauge ® は、債務者の格付やEAD(Exposure at Default:デフォルト時エクスポージャー)、LGD(Loss Given Default:デフォルト時損失率)といった与信ポートフォリオの基礎データから、年間に発生する平均的な損失としての信用コスト(EL=Expected Loss)や、一定の信頼度の下での最大損失である信用VaR(Value at Risk)といった、リスク管理上重要な指標を計算する機能を備えています。
その他にも、マクロ金融経済指標に対するストレスイベント発生時の全社的な影響度評価(マクロストレステスト)を行う機能を搭載しております。
これらの機能を活用する事で、与信ポートフォリオの現状を定量的に把握するだけでなく、経済資本運営の実行・高度化やフォワードルッキングな観点での自行経営状態の確認・検証を通じたリスク管理高度化を実現できます。

損失額分布(例)

損失額分布(例)のグラフ

CreditGauge ® は、与信ポートフォリオの信用リスク計測を行うパッケージソフトウェアです。モンテカルロ法により与信ポートフォリオから発生する損失額の分布状況(信用VaR等)を分析できます。
CreditGauge ® は、2004年12月にスタートした全国地方銀行協会の信用リスク管理高度化プロジェクト(信用リスク情報統合サービスCRITS)における信用リスク評価ツールとして採用され、2014年4月からはマクロストレステスト機能を実装した新バージョンも稼動し、会員61行(2021年4月1日現在)で利用して頂いているほか、第二地方銀行等その他の金融機関においてもご利用頂いています。

I. リスク計測機能

  • モンテカルロ・シミュレーションによるリスク計測機能を搭載
  • デフォルト・モード(簿価基準)とMtMモード(時価基準)でのリスク量算出に対応
  • リスク計測の対象資産として、法人債権、個人債権、証券化商品をカバー
  • 企業グループの連鎖倒産の可能性を考慮した信用リスク計測にも対応
  • リスクホライズンについては1年から5年まで選択可能

II. リスク分析機能

  • 個別債務者、個別債権にリスク配分を行う機能を備えており、様々な切り口でリスクを捕らえることが可能
  • さらに、算出されたリスク量を与信集中要因(アンシステマティック・リスク)とデフォルト率変動要因(システマティック・リスク)に分解する機能も備えており、リスクの発生要因まで遡った分析も可能

III.(マクロ)ストレステスト機能

  • ユーザーが任意に選択したGDPや株価指数等のマクロ金融経済指標に対するストレスシナリオを入力することにより、当該ストレスシナリオが顕現化した場合のパラメータやリスク量への影響を把握するマクロストレステストを実行可能
  • 個別債務者の格付や与信残高等の属性やパラメータの変更シナリオを画面上で設定することもでき、ストレスシナリオを柔軟に設定可能

IV. 感応度推定機能

  • 債務者間の信用力相関を表すパラメータである感応度を推定する機能を搭載
  • ユーザーが自ら推定した感応度を入力することも可能

V. 解析的手法(オプション機能)

  • 当社の独自技術である「解析的手法」により、速度と精度のトレードオフが著しいモンテカルロ・シミュレーションの弱点を克服、高い精度を保ちつつ極めて高速なリスク計測およびリスク配分を実現
  • VaRベース、およびCVaRベースでのリスク寄与度を高精度に算出する事ができ、より精緻に与信集中リスクを把握可能

解析的手法(オプション機能)

日米でポートフォリオの信用リスクの高速・高精度な計測手法に関する特許を取得

日本および米国でポートフォリオの信用リスクを高速かつ高精度に計算するための手法および装置に関する特許を取得しました。
本件特許の詳細につきましては以下の資料をご覧ください。
(日本国特許第4443619号(2010年1月22日特許登録):「ポートフォリオの信用リスクの計算方法および装置」)

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